👤 関連: ペリー,徳川慶喜,坂本龍馬,西郷隆盛,大久保利通,木戸孝允
1853年、アメリカの使節ペリーが4隻の巨大な黒い軍艦(黒船)を引き連れて、浦賀(神奈川県)にやってきました。彼らの目的は、鎖国している日本に「国を開いて貿易をしろ!」と迫ることです。煙を吐きながら海を真っ黒に染める蒸気船の大砲の威力に、幕府も江戸の庶民も「恐ろしい化け物船がやってきた!」と大パニック!約200年続いた平和な鎖国の眠りを覚ますこの大事件から、激動の「幕末」が幕を開けたのです。
ペリーの強い圧力に負けた幕府は、翌年に日米和親条約を結んで国を開きました。さらに1858年には大老の井伊直弼(いいなおすけ)が、天皇の許可を得ないままアメリカと日米修好通商条約を結んで貿易をスタートさせます。しかし、この条約は「日本に関税を決める権利がない」「外国人が日本で罪を犯しても日本の法律で裁けない(治外法権)」という、日本にとって非常に不利な不平等条約でした。ここから日本の苦難の道が始まります。
幕府の弱腰な対応や不平等条約によって日本の経済が混乱すると、武士たちの間に強烈な不満が爆発します。「天皇を敬い(尊王)、外国人を力ずくで追い払え(攘夷)!」という尊王攘夷(そんのうじょうい)運動が全国で巻き起こりました。これに対し、幕府トップの井伊直弼は、幕府を批判する吉田松陰(よしだしょういん)などの優秀な志士たちを次々と処刑する強硬手段に出ます。これを安政の大獄(あんせいのたいごく)と呼びます。
安政の大獄で仲間を殺され、怒り狂った水戸藩などの武士たちは、1860年の雪の降る朝、江戸城の門の外でなんと大老・井伊直弼を暗殺してしまいます!これが日本中を震え上がらせた桜田門外の変(さくらだもんがいのへん)です。幕府のナンバー2が白昼堂々と暗殺されたことで、「幕府にはもう日本をまとめる力がない」と誰の目にも明らかになり、幕府の権威は完全に地に落ちました。日本は歯止めが効かないテロと暗殺の時代へ突入します。
「外国人を追い払え!」と過激に動いていたのが薩摩藩(鹿児島県)と長州藩(山口県)です。しかし、薩摩藩はイギリスと(薩英戦争)、長州藩はイギリス・フランスなどの連合艦隊と(下関戦争)それぞれ実際に戦争をして、コテンパンに負けてしまいます。彼らは「今のままの日本の武器では絶対に外国に勝てない!」と痛感。外国を追い払うことをあっさり諦め、「西洋の進んだ技術を取り入れて、強い国を新しく作らなければ!」と劇的に考えを改めました。
新しい国を作るためには、まずダメになった幕府を倒さなければなりません。しかし、強大な力を持つ薩摩藩と長州藩は非常に仲が悪く、協力は絶望的でした。そこで立ち上がったのが土佐藩(高知県)の坂本龍馬(さかもとりょうま)です。彼が命懸けで両者の間を取り持ち、1866年、ついに薩長同盟(さっちょうどうめい)という奇跡の軍事同盟が結ばれました!この最強タッグの誕生により、幕府を倒すための倒幕運動は一気に加速していきます。
薩長同盟の圧倒的な力を前に、「このままでは戦争になって幕府が滅ぼされる…」と悟った15代将軍・徳川慶喜(とくがわよしのぶ)は、1867年に究極の決断を下します。約260年続いた政治の権力を、自ら天皇にお返ししたのです。これを大政奉還(たいせいほうかん)と呼びます。「これで戦争は避けられた!」と慶喜は思いましたが、薩摩や長州はさらに王政復古の大号令を出して、天皇を中心とした新しい政府の樹立を一方的に宣言しました。
新しい政府から徳川家を完全に追い出そうとする薩摩・長州に対し、旧幕府軍の怒りが爆発!1868年、京都の南で両軍が激突する「鳥羽・伏見の戦い」が勃発しました。ここから約1年半にわたって続く、日本を二分する大きな内戦を戊辰戦争(ぼしんせんそう)と呼びます。新しい西洋の武器と、天皇の軍隊であるというシンボル(錦の御旗)を掲げた新政府軍(薩長軍)は圧倒的な強さを見せ、旧幕府軍を次々と打ち破って東へと進軍していきました。
新政府軍の大軍が江戸に迫り、100万人以上が住む大都市・江戸が火の海になるのは時間の問題でした。しかし、新政府軍のリーダーである西郷隆盛(さいごうたかもり)と、旧幕府軍の代表・勝海舟(かつかいしゅう)がギリギリのところで直接会談を行います。二人は日本の未来のために戦争を回避することで合意し、血を流すことなく江戸城を引き渡す江戸城無血開城(えどじょうむけつかいじょう)が実現!奇跡的に江戸の町と人々は戦火から救われました。
江戸城が無血開城された後も、東北や北海道(箱館戦争)で戊辰戦争は続きましたが、1869年に新政府軍の完全勝利でようやく終わりました。こうして、ペリー来航から約15年間続いた大混乱の「幕末」は終わりを告げました。年号は「明治」と改められ、天皇を中心として、ちょんまげを切り、西洋の文化や技術をドンドン取り入れる近代国家への大改造(明治維新)がものすごいスピードで進んでいく、新時代の日本がスタートするのです。