建武式目 けんむしきもく

🕒 1336年11月7日 🍵 室町時代
📍 場所: 京都府 京都 👤 関連: 足利尊氏
1336年、京都を制圧して新たな武家政権(のちの室町幕府)をスタートさせた足利尊氏(あしかがたかうじ)が発表した、新しい政府の基本方針(マニフェスト)が建武式目(けんむしきもく)です。これはガチガチの法律ではなく、「これからはこんな感じで政治をやっていくぞ!」という17か条のスローガンでした。鎌倉幕府の御成敗式目(ごせいばいしきもく)の精神を受け継ぎつつ、派手な生活を禁止したり、礼儀作法を大切にしたりと、武士たちの道徳やマナーに重点を置いているのが特徴です。ここから約240年続く室町幕府の土台が築かれました。
スポンサーリンク
📝

泥沼の争いからの再出発

「建武の新政」への不満から後醍醐天皇と決別し、激しい内乱(湊川の戦いなど)を勝ち抜いた足利尊氏は、京都を制圧して新しい天皇(光明天皇)を立てました。いよいよ新しい武士の政治をスタートさせるにあたり、「皆が安心できる、しっかりとした国のルールや目標が必要だ」と考えます。そこで、優秀な法律の専門家や学者たち(是円・真恵など)を集めて、「これからどんな政治をしていくべきか?」という質問を投げかけ、話し合いを行いました。
📜

法律というより「マニフェスト」

その話し合いの結果を17個の項目にまとめたものが建武式目です。「式目」という名前がついていますが、実は「泥棒をしたら死刑」のような厳しい法律(ルール)ではなく、「倹約(節約)を心がけよう」「えこひいきはやめよう」「マジメな人を役人にしよう」といった、政治の目標や道徳を示した「マニフェスト(政権公約)」のようなものでした。戦乱で荒れ果て、混乱した世の中を落ち着かせるために、まずは武士たちの心を正そうとしたのです。

大先輩「北条泰時」をリスペクト

建武式目の作成にあたり、尊氏たちが一番お手本にしたのが、約100年前に鎌倉幕府のトップである北条泰時(ほうじょうやすとき)が作った御成敗式目(ごせいばいしきもく)でした。「武士の法律といえば、やっぱり泰時さんの御成敗式目だよね!」と、その精神をリスペクトしてそのまま引き継ぐことを宣言しました。後醍醐天皇が始めた「天皇中心の政治」を否定し、「あの良かった鎌倉幕府の時代(武士の時代)のやり方に戻すぞ」という強いアピールでもあったのです。
🏯

室町幕府、いよいよスタート!

この建武式目が発表された1336年は、一般的に室町幕府(むろまちばくふ)が開かれた年(成立年)とされています(※尊氏が征夷大将軍に任命された1338年とする説もあります)。尊氏が示したこの基本方針のもと、のちの第3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)の時代に幕府の仕組みは完成し、華やかな室町文化が花開いていきます。建武式目は、室町幕府という新しい国づくりの「最初の設計図」として、歴史にしっかりと刻まれているのです。
スポンサーリンク
スポンサーリンク