中世から前近代の時代において、命がけで未知の大陸や国々を旅した人物によって著され、当時のアジアや世界の地理、風俗、政治状況を伝える第一級の歴史史料となった3つの有名な旅行記の総称です。
唐の僧侶である玄奘(三蔵法師)が、仏教の聖典を求めてインドへ旅した17年間に及ぶ見聞を、太宗皇帝の命によって編集した地理・旅行記です。中央アジアからインドに至る138カ国の風土、宗教、政治が極めて正確に記録されており、のちの『西遊記』のモデルとなりました。
ヴェネツィアの商人マルコ・ポーロが、アジア(モンゴル帝国・元)を訪れ、皇帝クビライ・ハンに仕えた24年間の旅の体験を口述筆記させた旅行記です。黄金の国ジパング(日本)の伝説などが紹介され、中世ヨーロッパ人の大航海時代への冒険心を激しくかきたてました。
日本の平安時代の僧侶・円仁(慈覚大師)が、遣唐使とともに唐へ渡り、9年間にわたって仏教の教えを求めて各地を巡礼した旅を克明に記録した日記です。当時の唐の政治、社会、生活、そして武宗による仏教弾圧(会昌の廃仏)の様子が生々しく記録された、世界的な超一級史料です。