歌舞伎(時代物)に登場する数多くの赤姫(高貴な身分の未婚の姫君)の役の中で、特に高い演技力と表現力が求められ、女形役者の試金石とされる最高峰の3つの大役の総称です。
『本朝廿四孝』に登場する、武田信玄の娘です。許嫁の勝頼への一途な愛のために、家宝の兜を持ち出し、狐の神力を借りて凍った諏訪湖を渡って勝頼の危機を救いに行くという、お姫様の可憐さと情熱的な激しさを併せ持つ屈指の大役です。
『祇園祭礼信仰記(金閣寺)』に登場する、雪舟の孫娘です。悪人・松永大膳によって金閣寺の桜の木に縛り付けられ、落花する桜の花びらを足のつま先で集めて見事なネズミの絵を描き、そのネズミが縄を食いちぎって逃れるという、有名な見せ場(爪先鼠)を持つ難役です。
『鎌倉三代記』に登場する、北条時政の娘です。愛する敵将・三浦之助のために、実の父親である時政を裏切って暗殺を決意するという、高貴な姫君でありながら過酷な運命に翻弄され、愛と孝の間で深く苦悩する、極めて心理描写が難しい役どころです。