日本の推理小説(探偵小説)の歴史において、常軌を逸した複雑な構成、膨大なペダントリー(衒学趣味)、難解な文体から「読み終える前に気が狂う」などと評される3つの異端の傑作です。
夢野久作が10年以上の歳月をかけて完成させた大作です。記憶喪失の青年が精神科病院で目覚め、猟奇的な殺人事件の真相や自らの正体を解き明かしていく物語ですが、劇中劇や論文が複雑に入り組み、「これを読むと一度は精神に異常をきたす」と謳われる究極の奇書です。
小栗虫太郎が執筆した長編推理小説です。降矢木家という呪われた洋館「黒死館」で起こる連続殺人事件を、名探偵・法水麟太郎が解決する物語ですが、オカルト、神学、医学、物理学などあらゆる分野の膨大かつ難解な専門知識(ペダントリー)がちりばめられた衒学趣味の極致です。
中井英夫(塔晶夫)が執筆した長編推理小説(アンチミステリ)です。「氷沼家」で起こる連続密室殺人事件に対し、登場人物たちが次々と推理合戦を繰り広げますが、推理そのものが現実の殺人を引き起こしていくというメタフィクション的な構造を持ち、推理小説の枠組み自体を破壊した傑作です。