古代日本において、若い男女が特定の時期に山や市庭などに集まり、互いに和歌(歌)を掛け合いながら求愛や交流を行った、大規模な祭りの舞台となった3つの代表的な場所です。
茨城県にある名峰で、古代東国における最大の歌垣の聖地でした。『万葉集』には高橋虫麻呂が筑波山の歌垣の様子を詠んだ歌が収められており、春と秋に大勢の男女が集い、自由におおらかに愛を語り合った古代のロマンを今に伝えています。
佐賀県にある山で、九州地方における代表的な歌垣の舞台です。『肥前国風土記』には、春の季節に近隣の村々から若い男女が着飾って集まり、手を取り合って歌い舞い、数日間にわたって恋の駆け引きを楽しんだ様子が生き生きと記されています。
大阪府の北部(豊能郡など)にある山で、かつては「歌垣」そのものの名が山の名前として定着しました。近畿地方における代表的な求愛の場で、山の頂上で男女が集って歌を交わしたとされ、現在もハイキングコースとして親しまれています。