かつての日本国有鉄道(国鉄)において、鉄道の運行における最大の難所とされた、非常に急な勾配が連続する3つの代表的な山越え区間の総称です。
群馬県の横川駅と長野県の軽井沢駅の間(信越本線)にあった、66.7パーミル(1000m進むと66.7m登る)という国鉄最急勾配の難所です。かつては歯車を噛み合わせるアプト式が採用され、後には専用の強力な電気機関車(EF63形)を連結して急勾配を上り下りしました。1997年の北陸新幹線(長野行新幹線)開業に伴い、惜しまれつつ廃止されました。
福島県と山形県の県境を越える奥羽本線の区間で、最大38パーミルの連続勾配と豪雪地帯という二重の過酷な条件を持つ難所です。かつては機関車が牽引する列車を安全に運行させるため、スイッチバック(ジグザグに登る線路)が連続して設置されていました。現在は山形新幹線が開業し、スイッチバックは廃止されましたが、その遺構は残されています。
広島県の山陽本線にある瀬野駅と八本松駅の間の区間で、鉄道ファンの間では「瀬野八(せのはち)」と呼ばれます。22.6パーミルの急勾配が連続するため、特に重い貨物列車がこの峠を越える際には、列車の最後尾に専用の「補助機関車(補機)」を連結して後ろから押し上げる必要があります。現在でもこの補機による運行が見られる数少ない区間です。