日本酒の醸造において、優れた水源と良質な酒米に恵まれ、高度な醸造技術(杜氏の技)によって古くから酒造りが盛んであった3つの代表的な産地の総称です。
兵庫県の神戸市から西宮市にかけての沿岸部に広がる「灘五郷」と呼ばれる地域です。六甲山系から湧き出るミネラル分が豊富な硬水「宮水(みやみず)」を使用するため、発酵が力強く進み、キレのある辛口の日本酒に仕上がります。そのしっかりとした骨格の味わいから、灘の酒は古くから「男酒」と呼ばれています。
京都府京都市南部の伏見区一帯の酒造地です。かつて「伏水」と書かれたほど地下水が豊富で、名水百選にも選ばれた「御香水」などに代表される、口当たりの柔らかい中硬水〜軟水を使用して酒造りが行われます。この水で仕込まれた酒は、なめらかで優しく、ふくよかな甘みを持つため「女酒」と称され、灘と双璧をなします。
広島県東広島市の西条地区周辺の酒造地です。西条の水は発酵が進みにくいとされる「軟水」でしたが、明治時代に三浦仙三郎が「軟水醸造法」を開発したことで、軟水の弱点を克服し、むしろ米の旨味と華やかな香りを最大限に引き出す吟醸造りを確立しました。酒蔵通りには白壁や赤レンガ煙突の美しい街並みが残っています。