平安時代中期に活躍した関東の豪族であり、朝廷(天皇の政府)に対して大反乱を起こした人物です!一族の争いに巻き込まれる形で国の役人を追い出し、なんと自らを「新皇(新しい天皇)」と名乗って関東の独立国を作ろうとしました。西日本で暴れた藤原純友の反乱と合わせて承平・天慶の乱と呼ばれます。朝廷から「朝敵(天皇の敵)」として討たれましたが、関東の民衆からはヒーローとして愛され、死後は恐ろしい怨霊伝説や神田明神の神様としても語り継がれる、カリスマ的な武将です!
将門は、平安京を作った桓武天皇のひ孫の世代にあたる「桓武平氏(かんむへいし)」という名門一族の出身です。下総国(現在の茨城県や千葉県北部)を中心に、広大な土地とたくさんの馬を育てて豊かな勢力を持っていました。若い頃は都(京都)へ上り、偉い貴族である藤原忠平(ふじわらの ただひら)のボディガードとして真面目に働いていましたが、出世競争に敗れ、父親の死をきっかけに関東の故郷へと戻ることになります。
故郷に戻った将門を待っていたのは、おじさんたちとの泥沼の領地争いでした。父親が残した広大な土地を巡って、一族の中で激しいバトルが勃発します!武芸に優れていた将門は、襲いかかってくるおじさんたちを次々と返り討ちにして圧倒的な強さを見せつけました。最初はただの家族内の揉め事でしたが、これがやがて関東地方全体を巻き込む巨大な反乱へと発展していく、取り返しのつかない火種となってしまったのです。
一族の争いに勝利した将門は、関東の武士たちから「頼りになるアニキ!」として慕われるようになります。ある日、役人(国司)から理不尽にいじめられていた藤原玄明(ふじわらの はるあき)という人物が、「将門様、どうか助けてください!」と逃げ込んできました。情に厚い将門は彼をかくまい、役人に対して「話し合いで解決しよう」と交渉しますが、これが国との全面対決への決定的なキッカケとなってしまいます。
939年、話し合いが決裂すると、将門はなんと国の役所である「国府(こくふ)」を大軍で包囲し、役人たちを武力で追い出してしまいました!さらに、その勢いのまま関東地方の他の国府も次々と襲撃して、印鑑(ハンコ)や倉庫の鍵を奪い取ってしまいます。これは当時の朝廷(天皇の政府)から見れば、国に対する完全な「反逆行為(テロ)」。もう後戻りできない、国家への大反乱となってしまったのです。
関東のほとんどを制圧した将門は、「俺がこの関東の新しい天皇になる!」と宣言し、自らを新皇(しんのう)と名乗りました!朝廷のルールを完全に無視して、自分の部下たちを新しい役人に任命し、京都から独立した独自の国を作ろうとしたのです。天皇以外の人物が「皇(天皇)」を名乗ったのは、日本の長い歴史の中でも平将門ただ一人だけという、とんでもなくスケールの大きな出来事でした。
「将門が新しい天皇を名乗って独立したぞ!」という大ニュースは京都に伝わり、朝廷の貴族たちは大パニックに陥ります!さらに同じ頃、西日本の瀬戸内海でも藤原純友(ふじわらの すみとも)という元役人が海賊を率いて大反乱を起こしていました。東と西で同時に起きたこの国家を揺るがす二つの巨大な反乱を合わせて、歴史のテストに絶対に出る承平・天慶の乱(じょうへい・てんぎょうのらん)と呼びます。
朝廷は「将門を倒した者には素晴らしいご褒美をあげる!」とお触れを出します。これに応じたのが、同じ関東の武士である平貞盛(たいらの さだもり:将門のいとこ)や藤原秀郷(ふじわらの ひでさと)たちでした。彼らは朝廷の命令(追討令)を大義名分として大軍を組織し、将門の軍勢に襲いかかります。関東の独立を夢見た将門の軍と、朝廷側の討伐軍による、激しい最終決戦が始まりました。
940年2月、下総国(茨城県)での激しい戦いの最中、将門の軍勢は風向きが変わったことで不利になります。自ら馬に乗って最前線で戦っていた将門でしたが、なんと敵の放った一本の矢が風に乗って将門の額(ひたい)に命中!「新皇」を名乗ってからわずか数ヶ月後、東国の英雄は戦場であっけなくその生涯を閉じました。彼の独立国の夢は、幻のようにあっという間に消え去ってしまったのです。
死後、将門の首は京都に運ばれて晒し首(さらしくび)にされました。しかし伝説では、その首は腐るどころか夜な夜な「俺の体はどこだ!」と怒鳴り散らし、故郷の関東に向かって空を飛んで帰っていったと言われています!東京の大手町には、その首が落ちた場所に建てられた「首塚(くびづか)」が今も残っており、菅原道真・崇徳上皇と並ぶ「日本三大怨霊」の一人として、人々に長く恐れられました。
朝廷からは「反逆者」とされた将門ですが、地元の民衆からは「理不尽な国に立ち向かってくれたヒーロー」として深く愛されていました。江戸時代になると、怨霊としての怒りを鎮めるために神田明神(かんだみょうじん)という神社に神様として祀られ、江戸(東京)の町を守る強力な守護神となります。反逆者から神様へと劇的な変化を遂げ、今でも東京のビジネスマンたちから絶大な信仰を集めています。