| 原子量 | [252] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ギオルソら (1952年 / アメリカ) |
天才物理学者アルベルト・アインシュタインにちなんで名付けられた、人工の超ウラン元素です。1952年の世界最初の水爆実験で発生した死の灰の中から偶然に発見されました。強烈な放射線と熱を出し、目に見えるほどの量を作ると自らのエネルギーで崩壊してしまうため、基礎研究以外に用途がない極限の物質です。
相対性理論などを提唱した偉大な物理学者アルベルト・アインシュタインの栄誉を称えて命名されました。彼自身がこの元素の発見に直接関わったわけではありませんが、科学史に輝く彼の名前が永遠に刻まれました。
1952年にアメリカが行った人類初の水爆実験(アイビー・マイク)の際、サンゴ礁が吹き飛んだ巨大なキノコ雲のチリを分析した結果、ウランが大量の中性子を吸収して生まれたこの元素が偶然見つかりました。
水爆実験による発見であったため、冷戦下の厳しい軍事機密の壁に阻まれ、発見の事実は3年間も世界に公表されませんでした。その間に研究所で人工的に合成することに成功し、ようやく発表されました。
非常に強い放射線を出すため、もし目に見えるほどの塊を作ると、自らが放つ凄まじい崩壊熱によって青白く発光し、あっという間に熱でドロドロに溶けて周囲の構造を破壊してしまいます。
現在人類がなんとか目で見える金属の形(マクロ量)で合成できる、最も重い限界の元素だと言われています。これ以上重い元素はすぐに消滅してしまうため、化合物の性質を調べることすら至難の業です。
実生活での使い道は一切ありませんが、101番元素メンデレビウムなど、さらに先の新しい元素を人工的に作り出すための標的(ターゲット)材料として、世界で最も特殊な加速器の実験で数ナノグラムだけ消費されます。
水爆実験の直後、放射能の嵐が吹き荒れる危険なキノコ雲の中に特殊なフィルターを積んだ無人機を飛ばし、そのフィルターに付着した微量のチリを分析するという、科学者たちの凄まじい執念で発見されました。
元素の名前が発表されたのは、アインシュタインが亡くなった1955年の直後でした。核兵器の廃絶を強く訴えていた彼の名前が、皮肉にも水爆実験から生まれた最も危険な元素につけられることになりました。
原子炉で途方もない時間をかけて合成しても、数ヶ月で半減して消えてしまうため、世界中を探しても1ミリグラムすら存在しません。当然売買されることはなく、価格というものが存在しない幻の金属です。
アインシュタインの相対性理論や重力の方程式にちなんで、SFゲームなどでは時空を歪めて小型のブラックホールを人工的に発生させるための、架空の超重力コアジェネレーターの素材として名前が借用されます。