| 原子量 | [247] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | シーボーグら (1949年 / アメリカ) |
多くの人工元素が生み出されたカリフォルニア大学バークレー校にちなんで命名された超ウラン元素です。強力な放射線を持ち、ごくわずかな量しか合成できないため実用的な用途はまだありません。しかし、さらに重い未知の元素を作り出すための貴重な標的(ターゲット)材料として、基礎科学の最前線で活躍しています。
シーボーグらを中心とする研究チームの拠点であり、数々の超ウラン元素を合成したカリフォルニア大学バークレー校の栄誉を称えて命名されました。都市や国の名前が多い中、大学の所在地が選ばれました。
自然界には存在せず、原子炉で作ったアメリシウム241という元素に、サイクロトロンという巨大な加速器でヘリウムの原子核(アルファ粒子)を猛スピードで衝突させて、人工的に合成されました。
1949年の発見から現在に至るまで、世界中で合成されたバークリウムの総量をすべてかき集めても、わずか数グラムにしかならないと言われています。極端に作ることが難しい究極のレア物質です。
実生活での使い道はありませんが、117番元素テネシンなど、さらに重くて新しい元素を人工的に作り出すための標的(ターゲット)材料として、最先端の原子核物理学の研究で極めて重要な役割を果たします。
アメリカのオークリッジ国立研究所で数ヶ月かけて合成された約22ミリグラムのバークリウムが、厳重な放射線防護容器に入れられ、新元素合成の実験のためにロシアの研究所へ空輸された壮大な協力の歴史があります。
発見されてから約20年後、ようやく肉眼で見えるか見えないかという極微量の化合物を金属状態にすることに成功しました。半減期が短いため、性質を調べるのは常に時間との過酷な戦いです。
周期表で真上にあるテルビウム(Tb)と化学的な性質がよく似ています。テルビウムが発見場所のイッテルビー村から名付けられたことに倣い、バークリウムも発見場所のバークレーから名付けたという共通点があります。
数ミリグラム作るだけで数億円単位の研究費と巨大な原子炉の稼働時間が必要になります。市場には一切出回らず、世界でも限られたいくつかの国立研究所の間でしかやり取りされないため、価格は計算不能です。
最も長寿命の同位体であるバークリウム247でも、放射線を出して別の元素へと崩壊していきます。実験によく使われるバークリウム249は半減期が約330日しかなく、作ってすぐに実験しないと消えてしまいます。
新元素を生み出すための踏み台になるという事実と極端な希少性から、SF小説などでは別次元へのワープゲートを開くための触媒や、超光速通信装置のコアパーツとしてバークリウムの架空の同位体が設定されます。