| 原子量 | [244] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | シーボーグら (1940年 / アメリカ) |
核兵器の材料や原子力発電の燃料として、人類の歴史に最も大きな影響を与えた人工元素の一つです。ネプツニウムの次なので冥王星にちなんで命名されました。恐ろしい破壊兵器の顔を持つ一方で、宇宙空間を何十年も飛び続ける深宇宙探査機の長寿命な原子力電池として、人類の夢を支える力も持っています。
天王星(ウラン)、海王星(ネプツニウム)に続く元素であるため、当時の太陽系の第9惑星だった冥王星(プルート)から名付けられました。死の神プルートの名を冠する、恐ろしくも力強い元素です。
1940年にアメリカのシーボーグらが合成しましたが、直後に第二次世界大戦が勃発。原子爆弾の材料になることがわかったため、発見の事実は国家の最高機密として戦争が終わるまで隠蔽されました。
ウランよりも少ない量で効率よく核分裂の連鎖反応を起こすため、強力な核兵器の材料になります。1945年に日本の長崎市に投下された原子爆弾ファットマンのコアには、このプルトニウムが使われました。
プルトニウム238という同位体は、崩壊する際に強力な熱を出します。この熱を電気に変換する原子力電池(RTG)は、太陽光が届かない木星や土星に向かう宇宙探査機の電源として数十年も働き続けます。
原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜたものをMOX燃料と呼びます。これを再び原発で燃やして電気を作るプルサーマル計画という資源のリサイクルが行われています。
強力なアルファ線を出すため、微細な粉末を吸い込んで肺に定着すると非常に高い確率でガンを引き起こします。また重金属としての化学的な毒性も持ち合わせており、取り扱いには極限の注意が必要です。
核拡散防止条約により厳重に管理されており、市場価格は存在しません。数キログラムあれば都市を壊滅させる兵器が作れてしまうため、テロリストの手に渡らないよう国際機関が24時間体制で監視しています。
もしプルトニウムの金属ブロックがあった場合、自身の放射性崩壊によって常に熱を出しているため、触ると温かく感じます。さらに量が増えると自らの熱で赤く発光し、最終的には溶けてしまいます。
大ヒット映画バック・トゥ・ザ・フューチャーで、タイムマシンのデロリアンが次元転移装置を動かすために必要な1.21ジゴワットの電力を生み出す究極の燃料として、プルトニウムが登場します。
圧倒的なエネルギーと危険なイメージから、SFアニメの巨大ロボットの動力炉や、悪の組織が強奪する超兵器のコアなど、物語を動かす最強のアイテムとして数え切れないほどの作品に登場します。