| 原子量 | [237] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | マクミラン、アベルソン (1940年 / アメリカ) |
人類が初めて人工的に作り出すことに成功した、ウランよりも重い超ウラン元素の第一号です。ウランの次に位置するため海王星にちなんで名付けられました。実用的な用途はほぼありませんが、プルトニウムを生み出すための中間地点として、原子力の歴史において極めて重要な役割を担う物質です。
周期表で天王星(ウラヌス)に由来するウランの右隣にあるため、太陽系の惑星の並び順に従って次の惑星である海王星(ネプチューン)から名付けられました。宇宙のスケールを感じる見事な命名です。
1940年、アメリカの科学者マクミランとアベルソンが、巨大な加速器でウランに中性子を衝突させることで合成に成功しました。自然界の限界を超え、人類が元素を自ら創り出した歴史的瞬間です。
ネプツニウム239という同位体は非常に不安定で、わずか数日でベータ崩壊を起こしてプルトニウムへと姿を変えます。原子炉の中でプルトニウムが生成されるための、重要な中間ステップとなる元素です。
原子力発電所の使用済み核燃料の中に生成されます。半減期が約214万年と非常に長く、強い放射線を出し続けるため、核のゴミとしてどのように安全に地中深く処分するかが世界的な課題になっています。
完全に人工の元素と思われていましたが、ウラン鉱石の中でウランが自然に中性子を吸収することで、極めて微量のネプツニウムが天然に生成されていることが後になって判明しました。
産業的な利用価値がないため市場価格はありません。化学的な性質を調べる基礎研究用に、特殊な施設で微量が抽出されるのみです。取り扱うには厳重な放射線防護設備が必要なためコストは莫大です。
一部のネプツニウム同位体は、理論上はプルトニウムと同じように核分裂の連鎖反応を起こすことが可能であり、核兵器の材料になり得るとして国際的な監視対象物質に指定されています。
危険な放射性物質でありながら、絶対零度近くの極低温まで冷却すると電気抵抗がゼロになる超伝導の性質を持つことがわかっています。重い元素の複雑な電子の動きを解明するヒントになっています。
マクミランらの発表より前に、日本の理化学研究所の仁科芳雄博士のチームが合成に成功していた可能性が高いと言われています。しかし戦時中の混乱で決定的な証拠を得る前に研究が途絶えてしまいました。
ウランとプルトニウムに挟まれたマイナーな存在であることから、スパイ小説やミリタリーSFにおいて、テロリストが狙う新世代の汚い爆弾の材料や、極秘の軍事研究の対象として描かれることがあります。