| 原子量 | 238.03 |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | クラプロート (1789年 / ドイツ) |
天然に大量に存在する中では最も重く、核分裂という凄まじいエネルギーを秘めた放射性元素です。原子力発電所の燃料として現代社会の膨大な電力を生み出す一方、核兵器の材料にもなる二面性を持ちます。かつてはガラスを美しく光らせる着色料として使われていたという、意外な歴史も隠し持っています。
1789年に発見された際、その8年前に発見されて話題になっていた太陽系の新惑星である天王星(ウラヌス)にあやかって名付けられました。ここから、宇宙と原子力という壮大な繋がりが始まりました。
ウラン235という同位体に中性子をぶつけると、原子核が真っ二つに割れる核分裂を起こし、莫大な熱を出します。この熱でお湯を沸かし、巨大なタービンを回して電気を作るのが原子力発電所の仕組みです。
たった1グラムのウラン235が完全に核分裂すると、石炭3トン分を燃やしたのと同じエネルギーを生み出します。しかし同時に強力な放射線を放つ死の灰を生み出すため、厳重な管理と処分が人類の課題です。
昔はガラスに微量のウランを混ぜて作られたウランガラスという食器が人気でした。ブラックライトの紫外線を当てると、美しい蛍光グリーンに妖しく輝きます。放射能は極めて微量で人体に影響はありません。
アフリカのガボン共和国のオクロ鉱床では、約20億年前にウラン濃度や地下水などの条件が奇跡的に重なり、人類が関与しない天然の原子炉として数十万年も自発的に核分裂を起こしていた痕跡が発見されています。
密度が非常に高く、金やタングステンとほぼ同じズッシリとした重さを持ちます。この凄まじい重さと硬さを利用して、戦車の分厚い装甲を物理的に撃ち抜くための「劣化ウラン弾」として軍事利用もされています。
資源としては銀と同じくらいありふれており、ウラン鉱石自体の価格は1グラム数円程度と安価です。しかし核兵器に直結する物質であるため、国際的な条約で個人の売買や所持は完全に禁止されています。
世界の海水中には約45億トンものウランが溶け込んでいると推定されています。もしこれを低コストで回収する特殊な吸着フィルターの技術が確立すれば、人類は事実上無尽蔵のエネルギー源を手に入れることになります。
ウランが約45億年かけてゆっくりと鉛に変わっていく性質を利用するウラン・鉛年代測定法により、隕石や古い岩石の年齢が測定され、地球が約46億年前に誕生したことが科学的に証明されました。
核分裂の凄まじいパワーの象徴として、古くからSF作品では宇宙戦艦のメインエンジンや巨大ロボットの動力炉として描かれてきました。現代でも強大で制御が難しいエネルギーの代名詞として君臨しています。