| 原子量 | [226] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第2族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | キュリー夫妻 (1898年 / フランス) |
キュリー夫妻がウラン鉱石の中から執念で発見し、ノーベル賞に輝いた歴史的な放射性元素です。暗闇で青白く発光する性質から、かつては時計の夜光塗料や万能薬として持て囃されました。危険性が判明するまでの光と影の歴史を持ち、現代の放射線治療の基礎を築いた偉大な元素です。
ウランより強い放射線を出す未知の元素の存在を信じたキュリー夫妻は、何トンものピッチブレンド鉱石を何年もかけて自分の手で煮詰め続け、ついにわずか0.1グラムの純粋なラジウム塩を抽出しました。
強力な放射線を出し続ける性質から、ラテン語で光線や放射線を意味するラディウスと名付けられました。この元素の研究から、放射能(Radioactivity)という新しい言葉も生み出されました。
自ら青白く光るため、昔は時計の文字盤を光らせる塗料として使われました。しかし、筆先を口で舐めながら塗っていた若い女性工員たちが重い放射線障害を患うラジウム・ガールズという悲しい事件が起きました。
発見直後、放射線は体に良いエネルギーだと思い込まれ、ラジウム入りの水やチョコレート、歯磨き粉などが万能薬として飛ぶように売れました。健康被害が明るみに出るまでの、信じられない歴史の1ページです。
ラジウムが放つ放射線が、正常な細胞よりもがん細胞を強力に破壊することを発見し、これが現代の放射線治療の基礎となりました。危険なだけでなく、数え切れないほどの人々の命を救ってきた実績があります。
1920年代、医療用として需要が爆発しましたが抽出が極端に難しかったため、1グラムが現在の価値で数億円にもなる世界一高価な物質でした。現在では他の安価な人工放射性同位体に置き換わっています。
キュリー夫人が研究に使っていた実験ノートや料理のレシピ本は、100年以上経った今でも強い放射線を出し続けており、フランスの図書館で分厚い鉛の箱に入れられて厳重に保管されています。
微量のラジウムを含む温泉は、そこから発生するラドンガスを吸い込むことで細胞が刺激され、自然治癒力が高まるとされています。日本でも玉川温泉や三朝温泉などが湯治場として古くから有名です。
ラジウム自体が光っているのではなく、ラジウムから出た強力な放射線が、空気中の窒素分子にぶつかってエネルギーを与え、それが光として放出されることで、不気味で美しい青白い発光現象が起こります。
未知のエネルギーと危険性の象徴として、古いSF映画やアメコミでは、主人公が超能力に目覚めたり巨大生物が誕生したりするきっかけとなる魔法の放射線源としてラジウムが頻繁に登場しました。