原子番号: 86

Rn

ラドン
Radon
原子量 [222]
分類 第6周期 / 第18族
状態(常温) gas
発見者 / 年 ドルン (1900年 / ドイツ)

特徴・解説

ウランやラジウムが崩壊して生まれる放射性の気体(希ガス)です。重いガスであるため、地下室などに溜まりやすい性質があります。ラドン温泉のような身近な健康用途で知られる一方、肺がんのリスク要因として住宅の換気が重要視されるなど、人間との関わりが非常に深いミステリアスなガスです。

♨️ ラドン温泉のホルミシス効果

微量の放射線は細胞を刺激して免疫力を高めるというホルミシス効果が期待され、古くからラドン温泉やラジウム温泉として人々に親しまれています。自然界の適度な刺激が健康をもたらすという考え方です。

🏠 地下室に溜まる見えない危険

空気より約7.5倍も重いガスであるため、欧米の岩盤の上に建つ住宅では、地下室にラドンガスが溜まりやすいことが問題になります。換気不足による肺がんのリスク要因として、環境基準が設けられています。

💨 ラジウムから生まれた娘

発見当初はラジウムエマネーション(ラジウムから湧き出るもの)と呼ばれていました。ラジウムが放射線を出して崩壊する過程で必然的に生まれるため、ラジウムの娘のような存在として名付けられました。

🧪 希ガスなのに反応してしまう

ヘリウムやネオンと同じく、他の物質と全く反応しない希ガスの仲間です。しかし原子が非常に大きいため電子を繋ぎ止める力が弱く、極端な条件下ではフッ素などと化学反応を起こす珍しい性質を持ちます。

🌍 大地震の前触れを知らせる?

大きな地震の前に、地殻の岩石が破壊されることで地中のラドンガスが空気中や地下水に放出されることがあります。このラドン濃度の変化を測定することで、地震予知に役立てようという研究が進められています。

💰 1グラムの価格という概念がない

気体である上に、数日で半分が別の元素に変わってしまうほど寿命が短いため、瓶に集めて計量したり販売したりすることは不可能です。そのため、一般的な価格というものは存在しない幻のガスです。

🇩🇪 ドイツの物理学者ドルンの発見

ドイツのドルンが、ラジウム化合物から放射性のガスが出ていることを発見しました。最初はラジウムのガスだと思われていましたが、のちに全く新しい希ガスの元素であることが確認されました。

☁️ 空気を電気を通しやすくする

ラドンが放つ放射線は、空気中の分子にぶつかってイオンを作り出します。これを利用して、密閉された空間の静電気を逃がすための特殊な装置として、一部の工業分野で利用された歴史があります。

🦖 怪獣の名前の由来になった説

空を飛ぶ有名な大怪獣ラドン。プテラノドンが語源とされていますが、放射能を帯びた怪獣であることから、この元素の名前も掛かっているのではないかという、特撮ファンの間で語り継がれる有名な噂があります。

🚀 SF世界の放射性ガストラトラップ

目に見えず、無臭でありながら強力な放射線を放つ重い気体という特徴から、SFやスパイ映画では、地下の秘密基地に侵入者を閉じ込めてじわじわとダメージを与える不可視のガストラップとして描かれます。