| 原子量 | 207.2 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第14族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | 古代から知られる (古代 / 不明) |
非常に重くて柔らかく、ハサミでも切れるほど加工しやすい金属です。病院のレントゲン室の壁や防護エプロンとして、危険なX線を遮断してくれます。ガソリン車から電気自動車まで、あらゆる車のバッテリー(鉛蓄電池)として現代のモビリティ社会を陰で支え続けています。
古代ローマでは加工しやすい鉛を水道管に使い、さらにワインの甘味料として鉛の鍋で煮詰めたシロップを飲んでいました。そのため鉛中毒が蔓延し、帝国衰退の一因になったという説があります。
密度が非常に高いため、X線やガンマ線などの強力な放射線を吸収して通さないという優れた性質があります。病院のレントゲン室の壁や、放射線技師が着る重い防護エプロンに絶対に欠かせません。
1859年に発明された鉛蓄電池は、安価で大電流を出せるため、今でも世界中の自動車のバッテリーとして使われています。最新の電気自動車でも、システムの起動用電源として鉛が活躍しています。
安くて重く、さらに柔らかくて形を変えやすいため、釣り糸に噛ませる小さなおもりや、スキューバダイビングで体が浮かないように腰に巻くウエイトブロックとして海の世界で重宝されています。
中世の錬金術師たちは、安くて重く鈍く光る鉛をベースにして、なんとか黄金を作り出そうと実験を繰り返しました。彼らの失敗の積み重ねが、現代の化学の基礎となる様々な発見を生みました。
古代エジプトの絶世の美女クレオパトラは、方鉛鉱という鉛の鉱石を砕いて粉にし、目の周りを黒く縁取るアイシャドウとして使っていました。魔除けや虫除けの効果があったと考えられています。
1グラム数円以下という非常に安価なベースメタルです。特筆すべきはリサイクル率の高さで、使用済みの車のバッテリーからほぼ100パーセント回収され、何度も新しいバッテリーに生まれ変わります。
酢酸鉛という化合物は甘みを持つため、昔はワインの甘味料として使われました。ベートーヴェンを苦しめた難聴や腹痛も、この鉛入りのワインを愛飲していたことによる鉛中毒だったと言われています。
鉛筆の芯は黒鉛(グラファイト)という炭素の塊であり、鉛は全く含まれていません。昔の人々が、紙に黒い跡を残す黒鉛を鉛の一種だと勘違いして名付けたのがそのまま定着してしまったのです。
火縄銃の時代から現代まで、重くて空気抵抗に負けず、的に当たると柔らかく潰れてダメージを与える鉛は銃弾の素材として最適でした。現在は環境配慮から無毒な金属への置き換えが進んでいます。