原子番号: 75

Re

レニウム
Rhenium
原子量 186.21
分類 第6周期 / 第7族
状態(常温) solid
発見者 / 年 ノダック夫妻ら (1925年 / ドイツ)

特徴・解説

タングステンに次いで熱に強い金属でありながら、加工がしやすいという優れた特徴を持ちます。ジェットエンジンやガスタービンなど、超高温になる部品を強靭にする合金材料として空の安全を支えています。地球上で最も見つけるのが難しかった、天然に存在する最後の安定元素という歴史的なドラマを持っています。

🇩🇪 ドイツの母なる川ライン川

発見者であるノダック夫妻の祖国ドイツを流れる雄大なライン川のラテン語名、レーヌスが名前の由来です。彼らはもう一つマズリウムという元素も発表しましたが、そちらは幻に終わりました。

🔍 天然で見つかった最後の元素

放射性元素を除き、地球上に天然に存在する元素の中で一番最後(1925年)に発見されました。地球の地殻にわずか10億分の1しか含まれていない、まさに究極の隠れん坊だったのです。

✈️ ジェットエンジンの羽を守る

レニウム最大の使い道は、飛行機のジェットエンジンの中で超高速で回転するタービンブレードです。ニッケル合金に数パーセント添加するだけで、耐熱性と強度が魔法のように跳ね上がります。

⛽ ガソリンを高品質にする触媒

石油精製工場において、プラチナにレニウムを混ぜた触媒が使われています。これを使うことで、車のエンジンが綺麗に燃焼するための高品質なハイオクガソリンを効率よく作り出すことができます。

💰 1グラムの価格と驚異の希少性

単独の鉱山が存在せず、モリブデンの鉱石からわずかに回収されるだけです。希少価値が極めて高く、1グラム数百円から千円近くする、プラチナに匹敵するほどの超高級レアメタルです。

🌋 日本の火山から見つかった奇跡

他の元素と鉱物を作らないと思われていましたが、1992年に北海道の知床硫黄山の噴気孔から、世界で初めてレニウムを主成分とする硫化レニウム鉱という奇跡の鉱物が発見されました。

🌡️ 2000度の灼熱を測る温度計

タングステンと組み合わせた熱電対という特殊な温度計に使われます。普通の温度計がドロドロに溶けてしまう2000度を超えるような溶鉱炉の中の温度でも、正確に測ることができます。

⚡ 電気スイッチの寿命を延ばす

非常に硬くて摩耗に強いため、高い電圧がかかってバチバチと火花が散るような過酷な電気のスイッチ(接点)に使うと、黒こげにならず長期間安定して電気を通し続けることができます。

🖋️ 万年筆のペン先の隠し味

ルテニウムやオスミウムと同じように、高級万年筆のペン先の丸い部分(イリドスミン合金)に微量のレニウムが添加されることがあります。紙との摩擦に耐え、滑らかな書き味を一生保つためです。

🚀 恒星間宇宙船のメインノズル

タングステン以上の柔軟性と耐熱性を持つ究極の素材であるため、SF小説のハードな宇宙技術の描写において、光速で飛ぶ宇宙船のメインエンジンの排気ノズルを構成する特殊合金として描かれます。