| 原子量 | 157.25 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | マリニャック (1880年 / スイス) |
磁石に強く反応する面白い性質を持ち、病院のMRI(磁気共鳴画像装置)検査で血管や腫瘍をくっきりと目立たせる造影剤として大活躍しています。また、磁力を変化させると熱を奪う性質を利用した、フロンガスを使わない次世代の環境に優しい磁気冷蔵庫の主役としても世界中で期待されています。
フィンランドの化学者ガドリンの名前に由来します。彼は様々なレアアースが含まれるイットリアという鉱物を最初に研究した人物で、その功績を称えて名付けられました。
強い磁性を持つため、MRI検査の前にガドリニウムの化合物を注射すると、体内の水分と反応して画像が劇的に鮮明になります。ガンなどの早期発見に絶対に欠かせない造影剤です。
ガドリニウムの合金に磁石を近づけると発熱し、遠ざけると温度が下がるという不思議な性質があります。これを利用して、地球温暖化を防ぐ新しい磁気冷蔵庫の開発が進んでいます。
かつて音楽を録音できたMD(ミニディスク)の記録膜には、ガドリニウムなどの合金が使われていました。熱と磁気を利用して、何度でも高音質で書き換えができたのです。
天然の元素の中で、中性子を吸収する能力が最も高いという驚異的な特徴を持ちます。そのため、原子力発電所の制御棒や、危険な放射線を遮断する特殊な壁に使われます。
MRIの造影剤や特殊な合金としての需要が安定して存在します。レアアースの中では比較的豊富に産出されるため、価格は1グラム数十円から百円程度で取引されています。
鉄、コバルト、ニッケルに次いで、室温付近で磁石にくっつく珍しい元素です。気温が約20度を下回ると磁石にくっつき、温かくなると急にくっつかなくなるという境界線にいます。
ユウロピウムなどと一緒に使われ、テレビやX線撮影のフィルムを感光させるための鮮やかな緑色の蛍光体としても利用されます。見えない光を人間の目に見える光に変換します。
鉄やクロムにほんのわずか添加するだけで、金属が信じられないほど硬く丈夫になり、熱にも強くなります。特殊な産業用部品を裏で強化しています。
磁力で温度が変わる性質やMRIのイメージから、SF作品ではサイボーグの体温を調整する特殊な冷却システムや、医療用ナノマシンのセンサー素材としてマニアックに描かれます。