| 原子量 | 151.96 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ドマルセー (1896年 / フランス) |
ブラウン管テレビや液晶ディスプレイで鮮やかな赤い光を出すために絶対に欠かせない、光を操る魔法使いのような元素です。かつて白黒テレビをカラーに変え、世界を一変させました。ユーロ紙幣の偽造を防止する特殊な光るインクにも使われるなど、私たちの視覚や社会の安全を裏で支えています。
発見者であるフランスの化学者ドマルセーが、自分の生まれたヨーロッパ大陸にちなんでユウロピウムと名付けました。大陸の名前がそのままついたスケールの大きな元素です。
ブラウン管テレビの時代、鮮やかな赤色を出す蛍光体がなく映像が暗いのが悩みでした。ユウロピウムを使った赤い蛍光体が発明されたことで、鮮烈なカラーテレビが誕生しました。
光の三原色である赤、緑、青のすべての蛍光体にユウロピウムの化合物が関わっています。私たちが普段見ているテレビやLED照明の白い光は、この元素のおかげで作られています。
ユーロ紙幣などにブラックライトを当てると、偽造防止のために印刷された星座や模様が鮮やかに光り輝きます。ここにもユウロピウムの特殊な蛍光インクが使われています。
ランタノイドの中でも極めて量が少なく、他の元素に隠れていたため発見が最も困難でした。ドマルセーは何年もかけて結晶化を繰り返し、ついに未知の赤い光の線を見つけました。
レアアースの中でも特に存在量が少なく、ディスプレイ用の需要が非常に高いため、1グラムあたり数百円から数千円とランタノイドの中で最も価格が高い部類に入ります。
ユウロピウムを含む鉱石の中には、紫外線を当てると幻想的なピンク色やオレンジ色に発光するものがあります。鉱物コレクターの間で蛍光鉱物として非常に人気があります。
日本の南鳥島周辺の深海底の泥の中には、世界が数百年使えるほどのユウロピウムなどのレアアースが大量に眠っていることが発見され、将来の巨大資源として期待されています。
中性子を非常によく吸収するという全く別の顔も持っています。この性質を利用して、原子力発電所の原子炉の反応をコントロールする制御棒の材料としても利用されています。
ブラックライトで特定の模様が浮かび上がる性質から、スパイ映画やSF作品において、特殊な光を当てた時だけ浮かび上がる極秘の暗号インクやDNA認証の光として登場します。