| 原子量 | 150.36 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ボアボードラン (1879年 / フランス) |
非常に強力な磁力を持つサマリウムコバルト磁石の主成分です。ネオジム磁石よりも熱に強いため、高温になる自動車のエンジン周辺や航空機など過酷な環境で活躍します。実は、元素の中で初めて実在の人物の名前から名付けられたという、マニアックで面白い歴史を持つレアアースでもあります。
鉱山庁の役人サマルスキーという人物の名前がついたサマルスキー石から発見されました。神話や地名ではなく、実在の人物の名前が元素名になった記念すべき第一号です。
フランスの化学者ボアボードランが、サマルスキー石の成分を分光器で分析し、未知の元素を示す新しい光の線を発見しました。非常に分離が難しいランタノイドの一つです。
コバルトと混ぜた磁石は、ネオジム磁石の登場までは世界最強でした。磁力では一歩譲るものの、熱への強さは圧倒的で、数百度の高温でも磁力が落ちないという大強みがあります。
エレキギターの弦の振動を電気信号に変えるピックアップという部品に、サマリウムコバルト磁石が使われることがあります。ノイズが少なくクリアな音色になると人気です。
非常に小さくても強力な磁力と耐熱性を持つため、高音質を追求するプロ用の高級ヘッドホンやマイクの部品として、見えないところでクリアなサウンドを支えています。
サマリウムの放射性同位体は、骨に転移したガンの痛みを和らげる治療薬として医療現場で使われています。骨に集まる性質を利用して、患部に直接放射線を当てて痛みを抑えます。
地球上に比較的豊富に存在しますが、他のレアアースと分離するのが難しいため、価格は1グラム数十円から数百円程度です。耐熱磁石の需要が高いため重要な資源です。
サマリウムを混ぜたガラスは、赤外線をよく吸収するという性質を持ちます。そのため、熱を遮断する特殊なフィルターや、レーザー光線を防ぐ保護メガネなどに利用されます。
サマリウムが長い時間をかけて別の元素に変化する性質を利用して、古い岩石や隕石がいつできたのかを調べる年代測定の時計として、地質学や天文学の研究で役立っています。
ネオジム磁石より熱に強く過酷な環境で使えることから、SF小説やメカニック設定では、深海探査艇や軍事用パワードスーツの駆動モーターに使われる磁石として描かれます。