| 原子量 | 140.91 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ヴェルスバッハ (1885年 / オーストリア) |
ネオジムと常に双子のように混ざった状態で見つかるレアアースです。溶接作業用のゴーグルのガラスに混ぜて強烈な光を遮ったり、光ファイバーの信号を増幅させるために使われます。鮮やかなネギの緑色を示す化合物を持ち、色彩豊かな魔法の金属として活躍しています。
ギリシャ語で緑色を意味するプラシオスと、双子を意味するディデュモスが組み合わさった名前です。ジジミウムという金属から双子のように分離され、塩が緑色だったためです。
プラセオジムとネオジムは性質が全く同じ双子のような元素で、化学反応で引き離すのは不可能に近いとされていました。発見者のヴェルスバッハは結晶化を何千回も繰り返して分離しました。
プラセオジムとネオジムを混ぜたジジミウムガラスは、溶接の炎から出る強烈な黄色い光だけをピンポイントで吸収します。職人の目を守る特殊なゴーグルとして大活躍しています。
プラセオジムの化合物をガラスや陶磁器の釉薬に混ぜると、非常に鮮やかで美しいレモンイエローに発色します。工芸品やステンドグラスの温かみのある黄色を演出する隠し味です。
マグネシウムにプラセオジムを少し混ぜると、軽さを保ったまま強度が飛躍的に上がり、高温にも耐えられるようになります。航空機のエンジン部品など過酷な環境で使われます。
インターネットの情報を伝える光ファイバーケーブルの中にプラセオジムをわずかに添加すると、弱まった光の信号を途中で強く増幅させることができます。通信速度を支える立役者です。
ネオジム磁石の性能を上げるためにも添加されるため需要が高く、レアアースの中では比較的高価で1グラム数百円程度です。電気自動車の普及により価格が上昇傾向にあります。
磁力を変化させると熱を奪うという特殊な性質を持つプラセオジムの合金が、フロンガスを使わない環境に優しい次世代の磁気冷蔵庫の材料として世界中で研究されています。
キュービックジルコニアなどの人工宝石にプラセオジムを混ぜると、太陽光の下では黄色っぽく、蛍光灯の下では緑色っぽく色が変わるカラーチェンジ効果を生み出すことができます。
双子という名前の由来と、分離が極めて困難だった歴史から、SF小説ではクローン人間や人造人間の遺伝子を安定させるための架空の触媒物質としてプラセオジムが描かれます。