| 原子量 | 138.91 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | モサンデル (1839年 / スウェーデン) |
周期表の下に飛び出したランタノイドと呼ばれる15個の元素グループのリーダーです。カメラの高級レンズに混ぜて光の屈折率を極限まで高めたり、ライターの火花を散らす発火石に使われたりします。次世代の水素自動車のタンク素材としても期待される、非常に実用性の高いハイテク金属です。
ギリシャ語で隠れているものを意味するランタノが語源です。セリウムという別の元素の鉱石の中に、見つからないようにひっそりと隠れていたことから名付けられました。
周期表の下にある15個の元素は、どれも性質がそっくりなためランタノイド(ランタンに似たものたち)と呼ばれます。あまりに似ていて分離するのが非常に困難な一族です。
ガラスにランタンを混ぜると、光を曲げる力(屈折率)が劇的に上がり、色のにじみを抑えることができます。一眼レフカメラや顕微鏡の超高性能なレンズに欠かせないスパイスです。
100円ライターの中で火花を散らしている発火石(フリント)は、ランタンやセリウムと鉄の合金です。少しこすっただけで削れた金属の粉が燃え上がり、簡単に火がつきます。
ランタンとニッケルの合金は、自分の体積の1000倍近い水素ガスを吸い込む水素吸蔵合金になります。安全に水素を運べるため、燃料電池車のタンク素材として大注目されています。
トヨタのプリウスなどのハイブリッド車を動かす巨大なニッケル水素電池のマイナス極には、大量のランタン合金が使われています。エコカーの走りを陰で支える立役者です。
レアアースの一種ですが、比較的豊富に存在するため価格は1グラム数十円程度と安価です。しかし産出国が中国に偏っているため、輸出制限などの政治的な影響を強く受けます。
ランタンの化合物は、水の中のリン酸という汚れの元と結びついて沈殿する性質があります。プールの水質を改善したり、湖の富栄養化を防いだりする環境浄化剤として活躍します。
腎臓の働きが悪くなると体内にリンが溜まってしまいますが、ランタンを含む薬を飲むことで、胃腸の中でリンと結びついて便として排出させ、患者の命を救うことができます。
光の屈折率を極限まで操る性質から、SF作品では光を曲げて姿を消す光学迷彩マントや、レーザー兵器の威力を増幅する特殊クリスタルの素材としてランタンが設定されます。