| 原子量 | 137.33 |
|---|---|
| 分類 | 第6周期 / 第2族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | デービー (1808年 / イギリス) |
硫酸バリウムとして胃のX線検査で飲まれることで有名ですが、実は純粋な金属バリウムは水や空気と激しく反応する危険なアルカリ土類金属です。花火の鮮やかな黄緑色を生み出す炎色反応の主役でもあり、医療の裏方からエンターテインメントまで幅広く活躍する二面性を持った元素です。
ギリシャ語で重いを意味するバリュスが語源です。バリウムを含む鉱石である重晶石が、見た目の大きさに反して非常にずっしりと重かったことから名付けられました。
胃のレントゲン検査で飲む白い液体の正体は硫酸バリウムです。X線を全く通さない性質があるため、胃の形や粘膜の凹凸をくっきり白く写し出してガンなどを発見します。
バリウムのイオンは筋肉を麻痺させる猛毒ですが、検査で飲む硫酸バリウムは胃酸にも絶対に溶けない特殊な化合物です。体に吸収されずそのまま排出されるため安全なのです。
バリウムの化合物を炎の中に入れると、鮮やかで美しい黄緑色の光を放ちます。この炎色反応を利用して、夏の夜空を彩る打ち上げ花火の美しい緑色が生み出されています。
昔のテレビやラジオに使われていた真空管の中には、バリウムが少しだけ塗られていました。管の中に残ったわずかな酸素などのガスを吸い取り、完璧な真空を保つためです。
バリウムとチタンを含むベニト石(ベニトアイト)は、サファイアのような美しい青色を放つ幻の宝石です。アメリカのカリフォルニア州の鉱山でしか採掘されない超希少石です。
金属のバリウムは空気中の酸素や水分と激しく反応して発火するため、石油の中に沈めて保管します。純粋な金属は取り扱いが難しく、1グラム数百円で取引されています。
自動車のエンジンの中で火花を散らす点火プラグの電極には、バリウムを混ぜた特殊な合金が使われています。高温の過酷な環境でも安定して電子を放出し続けるタフな素材です。
炭酸バリウムという化合物は胃酸で溶けて猛毒のバリウムイオンになるため、昔はネズミを駆除するための強力な殺鼠剤として使われていました。現在は安全なものに代わっています。
SFRPGなどのゲーム作品では、放射線治療や胃の検査のイメージから、バリウムの化合物をベースにした架空の薬品が、放射能汚染を治療する回復アイテムとして登場することがあります。