プラチナ以上に美しく白く輝く、世界で最も高価な貴金属の一つです。シルバーアクセサリーの変色を防ぐ高級なメッキとして身近ですが、最大の用途は自動車の排気ガスを無害化する触媒です。価格が金の数倍に跳ね上がることもある、経済を揺るがすセレブな元素です。
ギリシャ語でバラを意味するロドンが名前の由来です。プラチナの鉱石を強い酸で溶かしたとき、ロジウムを含む液体がとても美しいバラ色になったことから、その優雅な名前がつけられました。
銀のアクセサリーは空気中の硫黄と反応して黒ずんでしまいます。それを防ぐため表面に極めて薄くロジウムメッキを施すことで、傷を防ぎ、プラチナのような美しい白い輝きを長期間保ちます。
車の排気ガス規制が世界中で厳しくなったため需要が爆発し、一時期は1グラム数万円という金の数倍以上の異常な高値がつきました。市場価格が最も荒れ狂う、世界一高価な貴金属とも言われています。
ロジウムの約8割は、自動車のマフラーに付いている触媒装置に使われます。エンジンから出る有毒な窒素酸化物を、一瞬で安全な窒素と酸素に分解してしまう、環境を守るための絶対不可欠なフィルターです。
ギネスブックがポール・マッカートニーを称える際、ゴールドディスクやプラチナディスクを超える最高級の栄誉として、特別にロジウムディスクを贈呈し、その別格の価値を世に知らしめました。
非常に反射率が高く、光をほとんど吸収せずに跳ね返します。この性質を利用して、極めて精密な光の反射が求められる高級なカメラのミラーや、医療用の特殊な鏡のコーティングに使われています。
化学的に非常に安定しており、すべての金属を溶かすと言われる恐ろしい王水(濃硝酸と濃塩酸の混合液)に入れても、塊のロジウムは全く溶けません。酸やアルカリに対して無敵の防御力を誇ります。
発見者のウォラストンは、プラチナの鉱石からロジウムとパラジウムを別々に取り出す魔法のような化学的手法を開発しました。彼はその技術を独占し、貴金属の販売で巨万の富を築き上げました。
ロジウムの価格があまりにも高騰したため、夜中に駐車している自動車の下に潜り込み、マフラーごと触媒装置をノコギリで切り落として盗むという凶悪な窃盗事件が世界中で社会問題になりました。
SFや近未来の物語において、ロジウムはその圧倒的な価格と希少性から、ブラックマーケットで取引される超高額の暗号通貨の裏付け資産や、超富裕層しか持てない究極のステータスとして描かれます。