| 原子量 | 9.012 |
|---|---|
| 分類 | 第2周期 / 第2族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ヴォークラン (1798年 / フランス) |
非常に軽くて硬く、熱にも強い優秀な金属ですが、粉末を吸い込むと肺に重篤な病気を引き起こす猛毒の顔も持ちます。X線をよく通すため医療機器に組み込まれたり、最先端の宇宙望遠鏡の鏡に使われたりと、見えないところで活躍する特殊な元素です。
エメラルドやアクアマリンといった美しい宝石の仲間である「緑柱石(ベリル)」から発見されたことが、ベリリウムという名前の由来です。美しさと猛毒を併せ持つ、少しミステリアスな存在です。
発見当初は「グルシニウム(甘い)」という名前の候補があったほど、化合物には強い甘みがあることが知られていました。しかし人体には超猛毒であるため、絶対に舐めたり吸い込んだりしてはいけません。
猛毒対策の設備が必要で加工が非常に難しいため、極めて高価な金属です。特殊な部品になると1グラムあたり数千円以上に跳ね上がることもあり、本当に必要な限られた用途にしか使われません。
最新のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載された巨大な金色の鏡は、軽くて極低温でも歪まないベリリウムをベースに作られています。宇宙の果てから届く微かな赤外線を捉えるための最強の素材です。
X線を吸収せずにそのまま透過させる性質がとても強いため、病院のレントゲン撮影機やX線分析装置などの「X線を出す窓」の素材として欠かせません。医療の発展に裏で大きく貢献しています。
銅にわずかなベリリウムを混ぜると「ベリリウム銅」という合金になります。叩いても火花が出ず、何百万回曲げても決して折れないという、最強のバネ材や安全工具の素材に生まれ変わります。
中性子を跳ね返す(反射する)という特殊な性質を持っています。そのため、原子炉の中で核分裂のスピードを適切に調節する減速材や反射材として、安全な原子力発電のために重要な役割を担っています。
軽くて熱に強いため、過去にはF1カーの高性能エンジン部品に使われて圧倒的な強さを誇りました。しかし、クラッシュした際の健康被害の懸念とあまりのコストの高さから、ルールで明確に禁止されました。
1798年、フランスのルイ=ニコラ・ヴォークランが、鉱物学者の依頼でエメラルドの成分を分析していて新しい元素だと突き止めました。彼は他にもクロムなどの新しい元素を発見した優秀な化学者です。
その圧倒的な軽さと強度の高さから、SF小説やアニメなどでは「ベリリウム合金」が宇宙船の最強の装甲や特殊なシールドの素材としてよく登場します。未来のテクノロジーを予感させる魅力があります。