| 原子量 | 87.62 |
|---|---|
| 分類 | 第5周期 / 第2族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | クロフォード (1790年 / イギリス) |
炎の中に入れると鮮やかで美しい深紅色に輝くため、花火の赤い色や発煙筒の正体として活躍しています。暗闇で光り続ける蓄光塗料の材料としても有名です。一方で、原子力事故で放出される放射性同位体が骨に蓄積しやすいという恐ろしい側面もあり、光と影の強いコントラストを持つ元素です。
スコットランドのストロンティアンという小さな村の鉛鉱山で発見されたため、村の名前がそのまま元素の由来になりました。のどかな村から発見された石が、後に世界を揺るがすことになります。
夏の夜空を彩る打ち上げ花火。その中でも一際目を引く鮮やかな赤い色は、ストロンチウムの化合物が燃える時の炎色反応を利用しています。コンサートの赤いペンライト(ケミカルライト)も同じ原理です。
自動車の事故や故障の際、後続車に危険を知らせるために焚く赤い発煙筒。あの強烈な赤い光もストロンチウムの力です。雨や霧の中でも遠くまで光が届くため、命を守る安全サインとして使われます。
時計の文字盤や非常口の標識など、光を蓄えて暗闇で長時間ボーッと緑色に光る蓄光塗料。昔の塗料と違い、アルミン酸ストロンチウムを使った現代の塗料は、安全で明るく何時間も光り続けます。
ウランが核分裂するとストロンチウム90という放射性同位体が生まれます。カルシウムと性質が似ているため、体内に取り込むと骨に蓄積して長期間にわたり放射線を出し続け、白血病などの原因になります。
日本ではあまり見かけませんが、海外では塩化ストロンチウムが知覚過敏を防ぐための歯磨き粉に配合されることがあります。歯の表面の細かい穴を塞いで、冷たいものがしみるのを防ぐ効果があります。
工業的にはテレビのブラウン管のガラスなど大量に使われていたため、化合物の価格は非常に安価です。しかし薄型テレビの普及で需要が激減し、現在はフェライト磁石の材料などに使い道がシフトしています。
ルビジウムが長い年月をかけてストロンチウムに変化する性質を利用して、隕石や月の岩石がいつできたかを測定します。この方法で、太陽系が約46億年前に誕生したという歴史が証明されました。
日本の研究者が開発した光格子時計は、ストロンチウム原子をレーザーの網で捕まえて時間を測る究極の時計です。宇宙誕生から現在まで動かしても1秒も狂わないという、ノーベル賞級の大発明です。
1954年の初代ゴジラで、海中の酸素を破壊してゴジラを葬り去った架空の超兵器オキシジェンデストロイヤー。その成分には、当時恐れられていたストロンチウム90が密かに設定として盛り込まれていました。