| 原子量 | 83.798 |
|---|---|
| 分類 | 第4周期 / 第18族 |
| 状態(常温) | gas |
| 発見者 / 年 | ラムゼー、トラバース (1898年 / イギリス) |
空気中にわずかに含まれる反応しない希ガスで、蛍光灯やフラッシュランプの中に封入されて明るい光を生み出します。スーパーマンの故郷や弱点の鉱石の名前として世界中で知られていますが、現実のクリプトンは全くの無害で、かつては長さの基準(1メートル)を決めるために使われた偉大な元素です。
ギリシャ語のクリプトス(隠されたもの)が語源です。空気をいくら冷やして他の気体を取り除いても、最後まで隠れて姿を見せなかったことから、このミステリアスな名前がつけられました。
クリプトンガスに高い電圧をかけると、強烈な白い光を放ちます。この性質を利用して、カメラのストロボフラッシュや、空港の滑走路を照らす強力な誘導灯などに使われています。
かつて1メートルの長さは、クリプトン86が放つオレンジ色の光の波長を何回分と厳密に定義されていました。今は光の速さに変わりましたが、世界の長さを決める絶対的な定規だったのです。
地球の空気中に約100万分の1しか含まれていません。液体空気を少しずつ蒸発させる方法で集めますが、抽出に膨大なエネルギーがかかるため、1リットル数千円と非常に高価なガスです。
SFアメコミの金字塔スーパーマンの故郷であるクリプトン星の由来として有名です。しかし現実のクリプトン気体自体は、ヒーローの超能力を奪うような恐ろしい放射線を出したりはしません。
スーパーマンの弱点である架空の鉱石クリプトナイトは緑色に光る設定です。偶然にも、現実のクリプトンガスをガラス管に封入して電気を流すと、少し緑がかった美しい光を放ちます。
普通の白熱電球にはアルゴンガスが使われますが、高級なミニクリプトン球にはクリプトンが封入されています。熱を逃がしにくいため、フィラメントが長持ちしてより明るく輝くというメリットがあります。
他の希ガスと同様に、宇宙空間を進む探査機のイオンエンジンの推進剤として研究されています。キセノンよりも推進力は落ちますが、より身近で手に入りやすいため代替案として期待されています。
ヨーロッパなどの寒冷地では、二重窓のガラスの間にクリプトンガスを注入することがあります。普通の空気やアルゴンよりも熱を伝えにくいため、部屋の暖かさを逃さない最高の断熱材になります。
絶対に他の物質と反応しない希ガスの仲間ですが、極低温の特殊な条件で強力なフッ素と組み合わせると、二フッ化クリプトンという化合物を作ることができ、化学者たちを驚かせました。