| 原子量 | 69.723 |
|---|---|
| 分類 | 第4周期 / 第13族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ボアボードラン (1875年 / フランス) |
融点が約30度と低いため、人間の手のひらに乗せると体温で溶けて液体になる不思議な金属です。青色LEDの材料(窒化ガリウム)としてノーベル賞にも貢献し、現代の照明やディスプレイを激変させました。手品にも使われる面白さと、最先端技術を支える真面目さを併せ持つ元素です。
発見者ボアボードランの祖国であるフランスの古いラテン語名ガリアが名前の由来です。自身の名前(雄鶏)をラテン語にしたガルスを暗にかけたのではないかというユーモアな説もあります。
周期表を作ったメンデレーエフが、エカアルミニウムとして存在を予言していた元素です。重さや性質までピタリと当てていたため、発見されたことで周期表の正しさが完全に証明されました。
融点が29.76度と非常に低いため、人間の体温で簡単にドロドロの液体になってしまいます。夏場の常温でも溶けてしまうため、保存する時は冷蔵庫に入れるか、温度管理が欠かせません。
超能力の定番であるスプーン曲げの手品に、ガリウムで作ったスプーンが使われることがあります。お湯に入れたり指でこすったりするだけで、熱で溶けて簡単にぐにゃりと曲がってしまうためです。
ガリウムと窒素を結びつけた窒化ガリウムは、日本人研究者らが開発した青色LEDの必須材料です。この大発明により光の三原色が揃い、省エネで明るい白色LED照明が世界中に普及しました。
水が氷になると体積が膨らむように、ガリウムも液体から固体に固まる時に体積が約3パーセント膨張するという非常に珍しい性質を持ちます。そのため、ガラス瓶に入れて保存すると割れる危険があります。
かつて体温計には液体の水銀が使われていましたが、毒性があるため危険でした。現在では、ガリウムにインジウムなどを混ぜた安全な液体合金(ガリンスタン)が、水銀の代わりとして医療現場で活躍しています。
ボーキサイトからアルミニウムを作る過程の副産物として回収されるため、比較的安定して手に入ります。1グラムあたり数百円程度で買えるため、科学実験の面白グッズとしても人気があります。
次世代の半導体として注目されており、従来のシリコンよりも電気を無駄なく通すことができます。スマホの小型で強力な急速充電器(GaN充電器)は、この窒化ガリウムの力によって実現しました。
映画ターミネーター2に登場する、ドロドロに溶けて形を変える恐ろしい液体金属ロボット。常温付近で液体になるガリウムの不思議な性質は、あのようなSFのアイデアにリアリティを与えています。