| 原子量 | 4.0026 |
|---|---|
| 分類 | 第1周期 / 第18族 |
| 状態(常温) | gas |
| 発見者 / 年 | ジャンサン、ロッキャー (1868年 / フランス・イギリス) |
水素に次いで軽く、宇宙で2番目に多い元素です。非常に安定した希ガスの仲間で、絶対に燃えたり爆発したりしません。身近な風船や飛行船を浮かせるだけでなく、極低温を利用した医療機器の冷却など、最先端の科学技術に欠かせない重要な気体です。
ギリシャ神話の太陽神ヘリオスが語源です。実は地球上で見つかるよりも先に、皆既日食の際に太陽の光を分析していて未知の線として発見されたという、非常にロマンチックな歴史を持っています。
地球上では天然ガスの中にわずかに含まれるものを抽出するしかなく、近年は世界的な枯渇が問題になっています。価格も高騰しており、遊園地の風船の値段が昔よりもぐんと上がってしまいました。
ヘリウムを吸うと声が高くなるのは、空気中よりもヘリウムの中の方が音の伝わるスピードが速いためです。パーティグッズとして有名ですが、酸欠を防ぐために必ず酸素が20パーセントほど混ざっています。
ヘリウムはマイナス269度まで冷やさないと液体になりません。この宇宙一とも言える極低温を利用して、病院のMRI検査機に内蔵されている強力な超伝導磁石を冷やすために大量に使われています。
ヘリウムはあまりにも軽いため、一度空気中に放出されると地球の重力では引き止めることができません。そのまま大気圏を突き抜けて、はるか遠い宇宙空間へと永遠に逃げていってしまいます。
絶対零度(マイナス273度)近くまで冷やすと、粘り気が完全にゼロになる「超流動」という不思議な現象を引き起こします。コップに入れておくと、重力に逆らって壁を這い上がり外へこぼれ出します。
深海に潜るダイバーは、高圧下での窒素酔いを防ぐため、酸素とヘリウムを混ぜた特殊なガスをタンクに入れて呼吸しています。血液に溶けにくく、安全に深海の作業を行うために絶対に欠かせません。
他の物質と全く反応しないため、どんなに火を近づけても絶対に燃えることはありません。この安全性の高さから、現代の飛行船や気象観測用の気球には、水素ではなくヘリウムが使われています。
核融合の理想的な燃料となる「ヘリウム3」という特殊なタイプが、月面の砂に大量に含まれていると考えられています。将来のエネルギー問題を解決する鍵として、月面探査の大きな目的の一つです。
SF映画「月に囚われた男」などでは、月に埋蔵されたヘリウム3を採掘して地球に送るという近未来の宇宙ビジネスが描かれています。現実の世界でも、各国の宇宙機関が本気で研究を進めている分野です。