| 原子量 | 39.95 |
|---|---|
| 分類 | 第3周期 / 第18族 |
| 状態(常温) | gas |
| 発見者 / 年 | レイリー卿、ラムゼー (1894年 / イギリス) |
空気中に窒素、酸素に次いで3番目に多く含まれている無色透明の気体です。他の物質と全く反応しない怠け者の性質を利用して、蛍光灯の内部や食品の酸化防止用ガスとして密かに活躍しています。空気の約1パーセントも占めているのに、100年以上も見過ごされてきた隠れん坊です。
ギリシャ語で働かないや怠け者を意味する言葉が語源です。他のどんな元素とも結びつかず、化学反応を一切起こさない希ガスの特徴を見事に表しています。真面目に働かないのではなく、完全に満たされて安定している孤高の存在です。
イギリスの科学者レイリー卿とラムゼーは、空気から酸素や窒素を取り除いても、ごくわずかに謎の気体が残ることに気づきました。空気の約1パーセントも占めているのに、誰とも反応しないせいで1894年まで発見されなかったのです。
昔の白熱電球の中に普通の空気を入れると、中のフィラメントが酸素と結びついて一瞬で燃え尽きてしまいます。そこで絶対に反応しないアルゴンガスを封入することで、フィラメントを保護し、長期間明るく光り続けるようにしました。
空気を極低温に冷やして液化し、蒸発する温度の違いを利用して分離します。空気中に比較的多く含まれているため、ネオンやキセノンなどの他の希ガスと比べると圧倒的に安価であり、工業用の保護ガスとして大量に利用されています。
ポテトチップスには窒素ガスが使われますが、高級なワインのボトルやデリケートな食品のパッケージにはアルゴンが注入されることがあります。窒素よりも少し重いため液面の酸素をしっかり追い出し、風味の劣化を完璧に防ぐためです。
金属を高温で溶接する際、空気中の酸素に触れるとサビて強度が落ちてしまいます。そこでアルゴンガスを吹き付けて周囲の空気を遮断するアルゴン溶接という技術が使われ、チタンやステンレスの美しい溶接を実現しています。
岩石の中に含まれるカリウムは、長い年月をかけて少しずつアルゴンに変化します。この岩石の中にどれくらいアルゴンが閉じ込められているかを測ることで、恐竜の化石が埋まっていた地層が何千万年前のものかを特定できます。
宇宙の質量の大部分を占める謎の暗黒物質(ダークマター)を見つけるため、地下深くの実験施設に大量の液体アルゴンを入れた巨大タンクが置かれています。未知の粒子がアルゴン原子にぶつかって発するわずかな光を待っているのです。
ネオンガスを入れたガラス管はオレンジ色に光りますが、アルゴンガスに少量の水銀を混ぜて電気を流すと、美しく涼しげな青色や紫色の光を放ちます。街のネオンサインの色使いに欠かせない、夜の芸術家の一面も持っています。
SF映画やアニメでは、アルゴンガスに高いエネルギーを与えてプラズマ化し、それを推進力にするイオンエンジンや、強力なプラズマレーザー砲といった未来のテクノロジーとして設定されることが多く、ロマン溢れる元素です。