原子番号: 16

S

硫黄
Sulfur
原子量 32.06
分類 第3周期 / 第16族
状態(常温) solid
発見者 / 年 古代から知られる (古代 / 不明)

特徴・解説

火山の近くで採掘される鮮やかな黄色の固体で、特有の温泉の匂いでおなじみの元素です。火薬の原料や、タイヤのゴムの強度を上げるための架橋剤など、古くから人類の工業と文明を支えてきました。実は硫黄そのものは全くの無臭であり、あの強烈なニオイは硫化水素などの化合物によるものという意外な事実があります。

覚え方・語呂合わせ

しっぷす(「す」)
🌋 燃える石という語源

ラテン語で燃える石を意味する言葉が語源だと言われています。古くから火山の噴火口近くで黄色い塊として採掘されており、マッチの材料にもなるほど火がつきやすく、青い炎を上げて燃える不思議な石として知られていました。

👃 実は無臭の黄色い塊

温泉地に行くと感じるゆで卵が腐ったような独特のニオイ。あれを硫黄の匂いだと多くの人が思っていますが、純粋な硫黄の塊は全くの無臭です。あの強烈なニオイの正体は、硫黄が水素と結びついた硫化水素という有毒ガスなのです。

🧨 黒色火薬の歴史的発明

古代中国の錬金術師たちが不老不死の薬を作ろうとして偶然発明したのが、硫黄と木炭と硝石を混ぜた黒色火薬です。この大発明はシルクロードを経てヨーロッパに伝わり、大砲や銃の登場によって世界の戦争の歴史を激変させました。

🚗 タイヤを強くする魔法

天然のゴムは温度でドロドロに溶けたりカチカチに硬くなったりします。しかし、硫黄を混ぜて加熱する加硫という処理を行うと、分子同士がバネのように繋がり、自動車のタイヤのような強靭で弾力のあるゴムに生まれ変わるのです。

💰 1グラムの価格と原油

かつては鉱山で過酷な採掘をしていましたが、現在では石油を精製する際に大気汚染を防ぐために脱硫という工程で大量の硫黄が副産物として回収されます。そのため価格はタダ同然に安く、余った硫黄の使い道が研究されています。

🧅 ネギやニンニクのニオイ

玉ねぎを切ると涙が出たり、ニンニクを食べると強烈なニオイがしたりするのは、アリシンなどの硫黄を含む化合物が原因です。植物が虫や動物に食べられないように身を守るための、硫黄を使った化学兵器とも言えます。

🦠 深海の熱水噴出孔の生命

太陽の光が全く届かない深海の底で、数百度の熱水が吹き出す場所があります。そこの生物たちは、太陽のエネルギーの代わりに熱水に含まれる硫化水素を利用して栄養を作り出すという、地球の生命の起源を思わせる生態系を築いています。

🪐 木星の衛星イオの姿

木星を回る衛星イオは、太陽系で最も火山活動が活発な星です。数百もの巨大な火山から吹き出した硫黄や二酸化硫黄が地表に降り積もっているため、宇宙から見ると黄色やオレンジ色のまだら模様をしたピザのような姿をしています。

⚕️ 昔から使われる皮膚の薬

硫黄には角質を柔らかくしたり殺菌したりする働きがあるため、古くからニキビや水虫などの皮膚病の治療薬として使われてきました。温泉に入ると肌がすべすべになるのも、硫黄成分の働きが関係していると言われています。

👽 SFの硫黄ベース生命体

SF作品では、地球の生物が酸素を吸って二酸化炭素を吐くように、高温の星で硫黄を呼吸して硫化水素を吐き出すエイリアンがよく考案されます。彼らの体内には強烈な硫酸の血液が流れており、金属を溶かす恐ろしい設定が定番です。