| 原子量 | 24.305 |
|---|---|
| 分類 | 第3周期 / 第2族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | デービー (1808年 / イギリス) |
実用的な金属の中で最も軽く、燃やすと直視できないほど眩しい純白の光を放ちます。かつてはその強い光がカメラのフラッシュとして夜を照らしました。現在ではノートパソコンやスマホの軽量ボディを支えるほか、豆腐を固める「にがり」としても食卓でおなじみです。
ギリシャのテッサリア地方にあるマグネシアという地域で、よく採掘されていた白い鉱石(滑石など)にちなんで名付けられました。ちなみに磁石(マグネット)の語源も同じマグネシア地方の石から来ています。
マグネシウムの粉末は火をつけると強烈な白い光と煙を出して燃えます。電気のフラッシュが発明される前の古いカメラでは、この粉を爆発させて写真を撮るための強烈なストロボの光として利用されていました。
鉄の4分の1、アルミニウムの3分の2という驚異的な軽さを持つ金属です。合金にすると非常に頑丈になるため、持ち歩くノートパソコンやスマートフォン、高級カメラのボディなど、軽量化が命の製品に大活躍しています。
燃えているマグネシウムに水をかけると、なんと水から酸素を奪い取ってさらに激しく燃え上がり、水素ガスを発生させて大爆発を引き起こします。そのためマグネシウムの火災には絶対に水を使ってはいけません。
価格はアルミニウムより少し高い程度で、1グラム数円の安価な金属です。海水の中に大量に溶けているため資源が枯渇する心配がなく、次世代のクリーンエネルギーや電池の材料としても世界中で熱い視線を浴びています。
海水を煮詰めて塩を作った後に残るドロドロの液体を「にがり」と呼び、その主成分が塩化マグネシウムです。豆乳にこのにがりを入れると、タンパク質が化学反応で結びついて固まり、美味しい豆腐が完成します。
植物が太陽の光を浴びて栄養を作る光合成に欠かせない緑色の色素(クロロフィル)の中心には、必ずマグネシウム原子が鎮座しています。もしマグネシウムが地球になければ、植物は育つことができず緑のない星になります。
人間の筋肉をリラックスさせるために不可欠なミネラルです。運動して汗をかいたり、ストレスでマグネシウムが不足したりすると、筋肉が異常に収縮してしまい、こむら返りと呼ばれる激しい足のつりを引き起こします。
1955年のル・マン24時間レースで、マグネシウム合金のボディを採用したベンツがクラッシュして炎上しました。水では消せない性質により鎮火が遅れ、モータースポーツ史上最悪の惨事の要因の一つとして歴史に刻まれています。
ミリタリー系のゲームやSF作品では、超高温で燃え続ける性質を活かした「マグネシウム弾」や強力な発火兵器が登場します。装甲を焼き切る恐ろしい兵器として、その化学的特徴がリアリティを与えています。