この元素を合成したドイツの重イオン研究所があるヘッセン州のラテン語名にちなんで名付けられました。半減期が数秒しかなく実生活では使えませんが、周期表の性質を完璧に受け継ぎ、常温で気体になる珍しい化合物を形成する性質を持つなど、超重元素の化学を飛躍的に進歩させた驚異の物質です。
新元素を次々と発見したドイツの重イオン研究所であるGSIの所在地、ヘッセン州の古いラテン語名であるハッシアにちなんで名付けられました。ドイツの地方名が周期表に刻まれた記念碑です。
ボーリウムの発見からわずか数年後、GSIの研究チームが立て続けにハッシウムの合成にも成功しました。彼らの冷たい核融合技術が完全に世界のトップレベルであることを証明する快挙でした。
安定した鉛208の標的に、鉄58の原子核ビームを衝突させて合成するという非常に難易度の高い実験でした。弾丸となる鉄のビームを極限まで加速し、ピンポイントで命中させる職人技の賜物です。
酸素と結びついた四酸化ハッシウムという化合物は、これほど重い元素でありながら常温でも気体になりやすい揮発性を持つことが、神業のような高速化学実験によって見事に証明されました。
周期表で真上にあるオスミウムも四酸化物が気体になりやすい性質を持っています。108番という未知の領域の超重元素でも、メンデレーエフの周期律のルールが美しく成り立つことの確たる証拠でした。
ハッシウムの同位体の一つは、陽子と中性子の数が安定しやすい魔法の数(マジックナンバー)に近い構造を持っています。そのため、周囲の超重元素よりもわずかに長く生存するという特徴があります。
売買されることは絶対にありません。たった数個の原子を作るために莫大な国家予算規模の研究費と電力が投じられる極限の世界であり、その科学的価値はお金では決して測ることができません。
1984年の最初の発見時に検出されたのは、なんとたった3個のハッシウム原子でした。それでも検出器に残された崩壊のデータは完璧であり、新元素発見を疑う余地はありませんでした。
マジックナンバーの影響で寿命が少し長くなるという事実は、さらに重い元素が壊れずに長く存在できる安定の島という理論的領域が本当に存在することを示す、物理学者たちへの大きな希望となりました。
超重元素でありながら気体になる化合物を持つという奇妙な性質から、SFアニメでは特殊な環境下でのみ発生する絶対に防げない未知の次元ガス兵器の主成分として扱われることがあります。