| 原子量 | [259] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ギオルソら (1958年 / アメリカ) |
ダイナマイトの発明者であり、ノーベル賞の創設者であるアルフレッド・ノーベルにちなんで命名された人工元素です。あまりに寿命が短く、実生活での使い道は皆無です。しかしその発見を巡って米ソ間で激しい手柄争いが起き、発見者の栄誉を勝ち取る難しさを歴史に刻んだドラマチックな物質です。
スウェーデンの化学者であり、ダイナマイトの発明とノーベル賞の創設で知られるアルフレッド・ノーベルにちなんで名付けられました。科学の発展に莫大な貢献をした彼の名前が、周期表にも永遠に刻まれました。
1957年、ノーベル研究所の国際チームが最初に発見したと発表しノーベリウムと命名しました。しかし後になってその実験結果が間違いだったことが判明し、幻の第一報となってしまったという苦い歴史があります。
その後、アメリカのバークレー研究所とソ連のドブナ研究所がそれぞれ独自に本物のノーベリウムの合成に成功しました。冷戦下において、どちらが真の発見者かを巡って激しい論争が繰り広げられました。
長年の論争の末、国際機関はソ連のチームに最初の発見の功績を認めました。しかしノーベリウムという名前はすでに世界中で広く定着してしまっていたため、名前はそのまま引き継がれるという異例の決着を見ました。
アクチノイドの仲間は通常プラス3のイオンになりやすいのですが、ノーベリウムはなぜかプラス2の状態が安定しやすいという予想外の性質を持っていました。この気まぐれさが、初期の分離実験を混乱させる原因でした。
アメリカのチームは、加速器を使ってキュリウムの標的に炭素の原子核を猛スピードで衝突させるという手法で合成しました。これ以降、重い元素同士をぶつけて新しい元素を作る重イオン反応が主流になっていきます。
実験室でほんの数秒間だけ、原子数個レベルでしか存在できないため、金属の塊として販売されることは絶対にありません。もし無理やり1グラム作るためのコストを計算すると、一国の国家予算すら軽く吹き飛びます。
最も長生きする同位体でも半減期は約58分しかありません。作られた瞬間から強力な放射線を出して崩壊し、あっという間に別の元素であるフェルミウムなどへと姿を変えてしまう、極めて短命な存在です。
生活に役立つことはありませんが、原子核がどのようにして壊れるのか、またどこまで重い元素が存在できるのかという、現代物理学の究極の謎を解き明かすための貴重なデータを提供し続けています。
ノーベル賞に由来する名前の威厳から、SFアニメなどでは究極の物理学賞を受賞した天才科学者だけが扱える未知のエネルギー機関のコアや、絶対に爆発しない架空の安全な兵器の素材として設定されることがあります。