| 原子量 | [258] |
|---|---|
| 分類 | 第7周期 / 第3族 |
| 状態(常温) | solid |
| 発見者 / 年 | ギオルソ、シーボーグら (1955年 / アメリカ) |
周期表の生みの親であるロシアの化学者メンデレーエフにちなんで名付けられた人工元素です。自然界には一切存在せず生活での用途はありませんが、たった17個の原子からその存在が証明されたという、科学者たちの神業のような実験技術を象徴するロマンあふれる物質です。
元素の周期律を発見し、周期表の基礎を作り上げたロシアの偉大な化学者ドミトリ・メンデレーエフの栄誉を称えて名付けられました。アメリカのチームが発見しましたが、科学の功績に国境はないというリスペクトです。
加速器でアインスタイニウムに粒子をぶつけて合成されましたが、最初に検出されたのはわずか17個の原子でした。目に見えないほど微量でも、それが新元素であることを証明したシーボーグらの神業の賜物です。
周期表で真上にあるツリウムと性質が似ていることが、メンデレーエフの法則通りに予測されていました。この類似性を利用して、ほんの数個の原子しかない状態でも化学的な分離と確認を見事に成功させたのです。
原子が崩壊するときに出る信号を検出すると、実験室のベルがチリンと鳴るように設定されていました。深夜の実験室で、新しい元素が誕生したことを知らせるアナログなベルの音が響き渡ったという劇的な逸話があります。
合成が極めて困難で寿命も短いため、1グラムの塊はおろか微量の粉末すら地球上に存在したことはありません。商業的な取引は絶対に不可能であり、価格をつけること自体がナンセンスな幻のレアメタルです。
ウランから直接作ることはできず、原子炉で長期間かけてプルトニウムからアインスタイニウムを作り、それをさらに加速器にかけるという、途方もない手間と時間をかけてようやく数個の原子が生み出されます。
アメリカの研究チームがソ連(ロシア)の科学者の名前をつけたことは、当時の政治状況を考えると異例でした。科学の世界は政治対立を超えて繋がっていることを示す、平和的なメッセージでもあったと言われています。
一番長寿命の同位体でも半減期は約51日です。もし大量に集めることができたとしても、自身の強烈な放射線と熱によって瞬時に別の元素へと崩壊してしまうため、固体の金属としての姿を保つことはできません。
実用的な用途はゼロですが、メンデレビウムの合成と分離の手法は、その後の100番台の超重元素を発見するための基礎技術を確立しました。未知の領域を開拓するための重要な道標となった元素です。
周期表の創造者の名を持つ特別な響きから、SFやファンタジー作品では、世界の理を解き明かす究極の賢者の石の構成物質や、あらゆる物質を変換できる万能の触媒の別名としてマニアックに扱われることがあります。